冬本番前に備える!訪問看護ができる感染症・乾燥対策

11月後半から12月にかけて、気温が一気に下がり、空気の乾燥が進む季節がやってきます。
この時期は、風邪やインフルエンザ、胃腸炎などの感染症が流行しやすく、在宅で生活される高齢の方や基礎疾患のある方にとって、体調を崩すリスクが高まります。
また、乾燥による皮膚トラブルや脱水、誤嚥性肺炎の危険も増えるため、早めの対策がとても重要です。
でいご訪問看護リハビリステーションでは、利用者さまが冬を健康に乗り越えられるよう、感染症予防と乾燥対策を組み合わせたサポートを行っています。
今回は、冬本番前に知っておきたい「訪問看護ができる感染症・乾燥対策」を分かりやすくご紹介します。
感染症予防は「日常の小さな習慣」がカギ
冬の感染症は、家の中でも簡単に広がります。
特に高齢者は免疫機能が低下しているため、少しの風邪でも肺炎や重症化につながることがあります。
訪問看護では、特別なことだけでなく、次のような**「日常の予防習慣」**を大切にしています。
正しい手洗いは最強の予防策
手洗いは、ウイルス・細菌を取り除く、最も基本的で確実な方法です。
- 外出後
- トイレの後
- 食事の前
- 訪問者の対応後
こうしたタイミングで、石けんを使ったていねいな手洗いを心がけましょう。
ご自身での手洗いが難しい方には、看護師が動作をサポートしたり、アルコール消毒の使い方を一緒に確認したりしながら、無理なく続けられる方法を一緒に考えます。
室内換気でウイルスを溜めない
気温が低くなると、どうしても窓を閉め切りがちですが、1時間に1回・5〜10分程度の換気をするだけでも、感染リスクは大きく下がると言われています。
- 暖房はつけたまま
- 一部の窓だけを少し開ける
- 出入りのタイミングでドアを開けて空気を入れ替える
など、負担の少ない方法でも十分効果があります。
状況に合わせたマスクの着用
特に「咳・くしゃみ」が出るときには、マスクは周囲への感染拡大を防ぐうえでとても有効です。
肌が弱い方や耳が痛くなりやすい方には、
- 柔らかい素材のもの
- 顔のサイズに合ったもの
など、負担の少ないマスク選びについてもアドバイスしています。
乾燥を防いで、皮膚・呼吸器のトラブルを減らす
乾燥は冬の大きな敵です。
皮膚のかゆみやひび割れだけでなく、鼻や喉が乾燥すると感染症にかかりやすくなり、誤嚥しやすくなることで肺炎のリスクも高まります。
室内の湿度は「40〜60%」が目安
乾燥を防ぐための理想的な湿度は40〜60%です。
加湿器がなくても、次のような工夫で改善できます。
- 濡れタオルを室内に干す
- 洗濯物を部屋干しする
- お湯を入れたコップを机の上に置く
訪問時には、必要に応じて湿度計や室温を確認しながら、環境の整え方についてアドバイスを行っています。
のど・鼻を潤して感染リスクを減らす
喉や鼻の粘膜が乾燥すると、ウイルスが体内に侵入しやすくなります。
- こまめな水分補給
- うがい
- のど飴をなめる
といった日常のケアが、とても大きな予防になります。
嚥下機能が低下している方に対しては、むせやすさや飲み込みの状態を確認しながら、ゼリー飲料やとろみをつけた飲み物など、「その方に合った水分のとり方」を一緒に考えます。
皮膚の保湿ケアをていねいに
高齢者の皮膚は薄く乾燥しやすいため、かゆみや皮膚の裂傷が起こりやすい状態です。
- 入浴後や就寝前に保湿剤を塗る
- こすらず、手のひらで包み込むように塗る
- 乾燥しやすい「すね」「背中」「腕」を重点的にケアする
など、保湿のタイミングや塗り方についても看護師がサポートし、ご本人やご家族と一緒にケア方法を確認していきます。
冬に増える“誤嚥性肺炎”の予防ケア
乾燥や体力低下が重なる冬は、誤嚥性肺炎が増えやすい季節です。
次のような様子が見られる場合は、特に注意が必要です。
- 食事中にむせやすい
- 「飲み込みが弱い」と言われたことがある
- 口の中が乾燥しやすい
- 食後によく咳き込む
- 食事に介助が必要になってきた
訪問看護では、誤嚥性肺炎を防ぐために、以下のような支援を行っています。
食事姿勢の調整
誤嚥を防ぐうえで、「どの姿勢で食べるか」はとても大切です。
- 椅子に深く腰掛ける
- 顎を少し引いた姿勢で食べる
- ベッド上では、上体をしっかり起こしてから食事をとる
こうした工夫だけでも、「むせる回数」が大きく減ることがあります。
食事内容の工夫
嚥下状態に合わせて、次のような食事をご提案することがあります。
- とろみをつけた飲み物・汁物
- 刻み食・やわらか食への変更
- 一口の量を少なくする工夫
栄養を保ちながら、むせにくい形や硬さを一緒に考えていきます。
口腔ケアの徹底
口の中の細菌は、そのまま肺の中に入り込み、誤嚥性肺炎の原因となることがあります。
- 歯磨き
- 舌の清掃
- 保湿ジェルなどを使った口腔内の保湿
こうしたケアをサポートし、清潔で潤いのある口腔環境づくりをお手伝いします。
脱水は冬にも起こる!“かくれ脱水”に注意
「冬は汗をかかないから脱水とは無縁」と思われがちですが、実は、乾燥した空気や暖房によって、気づかないうちに体の水分が奪われています。
高齢者の場合、のどの渇きを感じにくくなっていることもあり、冬の脱水(かくれ脱水)は決して少なくありません。
脱水のサイン
次のようなサインが見られる場合は、脱水の可能性があります。
- 口の中や唇が乾いている
- 尿が少ない・色が濃い
- 皮膚がカサカサしている
- いつもよりぼんやりしている・反応がゆっくり
- ふらつきが増えている
訪問看護では、こうしたサインを評価し、1日にどれくらいの水分を目標にするか、どんな飲み物なら飲みやすいかなど、具体的な飲水の工夫をご提案しています。
ご家族ができる“冬の見守りポイント”
冬は、体調が急に変化しやすい季節でもあります。
ご家族が次のポイントを意識して見守ることで、重症化を防げるケースが多くあります。
- いつもより動きが遅い、ぼんやりしている
- 咳・痰・発熱が出ていないか
- 水分がしっかり取れているか
- 食欲が落ちていないか
- 皮膚の乾燥やかゆみが強くなっていないか
- 手足の冷えが強くなっていないか
こうした小さな変化に気づいたときには、早めに相談することがとても大切です。
でいご訪問看護リハビリステーションでは、
24時間サポート体制で、ご家族の不安や「ちょっと気になる変化」にも寄り添いながら対応しています。
まとめ:冬本番前の対策が、安心の在宅生活につながる
冬は、感染症・乾燥・誤嚥・脱水など、体調を崩しやすいリスクが重なる季節です。
しかし、早めの対策と日常の小さな習慣で、多くのトラブルは予防することができます。
今回ご紹介したポイントを振り返ると…
- 正しい手洗い・換気で 感染症予防
- 湿度管理と保湿で 乾燥から皮膚・喉・鼻を守る
- 食事姿勢や食事内容・口腔ケアで 誤嚥性肺炎を予防
- 冬でも油断できない “かくれ脱水”への注意
- ご家族の見守りと、気になる時の 早めの相談
こうした対策を積み重ねていくことで、冬の在宅生活をより安心して過ごすことができます。
でいご訪問看護リハビリステーションは、
地域の皆さまが 「冬も安心して自宅で過ごせる」 ように、
看護・リハビリの専門職がチームでサポートしてまいります。

